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1. 医療機関選びのポイント

不妊治療を始める際に女性自身は下記のような準備が必要です。

● 自分の治療に対する意見を持つ
● 良い医師を見極める
● 必要に応じてセカンドオピニオンを求める

具体的な医療機関選びのポイント

では、具体的にどのようなポイントを押さえて医療機関を選べばよいのでしょうか?以下の要件をチェックすることで、信頼できる医療機関かどうかを判断できます。

● 不妊治療を専門に扱う医師が複数在籍しているか
常勤医師が多くいる施設は、より丁寧なケアを提供できる可能性が高いです。
● 不妊治療に関する説明会や不妊学級があるか
患者が理解を深めるためのサポートが行われているか確認しましょう。
● ホームページに治療費が明示されているか
医療費は医療機関によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
● 子宮卵管造影検査が行われているか
この検査が行われている医療機関は、信頼性が高いことが多いです。
● 予約制が整っているか
混雑した病院では診察が流れ作業のようになる可能性があります。予約制を採用している
医療機関は、患者一人ひとりに時間をかけて対応してくれるでしょう。

これらの条件が満たされていない場合は、医療機関の変更を考えることも必要です。また、医師が
患者の話をよく聞いてくれるか、検査結果や治療経過を丁寧に説明してくれるかも重要なポイントで
す。医師との信頼関係を築くことが、治療の成功につながります。

2. 高度生殖医療における「ラボ力」の重要性

● 体外受精や顕微授精などの高度生殖医療においては、エンブリオロジスト(胚培養士)の存
在が非常に重要です。エンブリオロジストは、精子や卵子の検査・培養、受精プロセスなどを
担当するスペシャリストであり、彼らが働く「ラボ」の力が妊娠率に大きく影響します。これは
「ラボ力」とも呼ばれ、高度生殖医療の成功に直結する要素です。
● 例えば、患者にとっては「精子の数や運動率を詳しく説明してくれた」、「受精した胚の写真を
見せてくれた」といった具体的なサポートが安心につながります。医療機関を選ぶ際は、この
ようなラボの質やエンブリオロジストの存在も考慮するとよいでしょう。
● 高度生殖医療の費用は大きく異なりますが、費用が高いからといって必ずしも妊娠率が高く
なるわけではありません。費用が明確に表示されていない医療機関は注意が必要です。治
療を進める前に、医療費の詳細や支払いの条件を事前に確認することを忘れないようにしま
しょう。

不妊治療において、医師や医療機関の選び方は治療の成功に大きく影響します。自分に合った医
療機関を選ぶためには、知識を深め、主体的に治療に参加することが大切です。医療機関の選び
方や医師とのコミュニケーションの重要性を理解し、信頼できるパートナーを見つけることで、安心し
て治療に臨むことができるでしょう。

この記事を通して、自分自身の選択が治療においてどれほど重要であるかを理解し、より良い未来
を築くための一助となれば幸いです。

1. 不妊症とは?

不妊症は、「夫婦が通常の生活を送っているにもかかわらず、2年間妊娠に至らない状態」と定義さ
れています。しかし、この「通常の生活」という言葉の定義は、カップルごとに異なることが多いです。

例えば、月に1回のセックスが「通常」であるカップルもいれば、ほぼ毎日のセックスが「通常」である
カップルも存在します。

このような定義の曖昧さから、不妊症の診断は必ずしも明確ではありません。多くの場合、不妊症は
夫婦が赤ちゃんを望んだ時に初めて存在する問題であり、そのため焦りすぎる必要はないのです。
実際、不妊の原因は夫婦のどちらか、または両方にあることが多く、その割合はほぼ均等です。

2. タイミング法で妊娠の可能性を高める方法

不妊症の診断を受ける前に、多くのカップルに有効とされているのが「タイミング法」です。タイミング法とは、排卵日に合わせて夫婦生活を持つことで、自然な形で妊娠の可能性を高める方法です。

タイミング法の成功率について

驚くかもしれませんが、不妊治療において、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療を行う場合で
も、妊娠に成功する約70~75%の女性が、タイミング法で妊娠しています。このように、タイミング法
は非常に有効な方法であり、精神的・身体的な負担が軽いのも大きなメリットです。
タイミング法のステップ

1. 排卵日の特定: 妊娠のタイミングをつかむために、まずは排卵日を正確に知ることが重要で
す。基礎体温の測定や排卵検査薬の使用が有効です。
2. 夫婦生活のタイミング調整: 排卵日を見越して、適切なタイミングで夫婦生活を持つことが理
想です。排卵日の前後2日間が最も妊娠しやすいとされています。
3. ストレスの軽減: 妊娠に焦りがちですが、リラックスすることが成功率を高めるポイントとなり
ます。焦りはホルモンバランスに影響を与えるため、ストレスを減らす工夫が必要です。

実は、私たち人間は、他の動物に比べて妊娠しにくい生き物とされています。1回の生理周期あたり
の妊娠率はわずか15~30%であり、排卵日にセックスをしても半数以上のカップルが妊娠に至らな
いことがあります。これを知ることで、必要以上に焦ることなく、自然なペースで妊活を進める心の余
裕が生まれるでしょう。

3. 妊娠に対する焦りを軽減するための考え方

妊活は、精神的な負担が大きくなりがちです。特に、妊娠を望んで長い期間結果が出ないと、
不安や焦りが募ることが多いでしょう。しかし、ここで重要なのは、妊娠は個人の問題ではなく
夫婦の共同作業であることです。お互いにサポートし合い、無理のないペースで進めること
が、最終的な成功につながります。

タイミング法の成功率と現実

人間は妊娠しにくい生き物であり、1回の生理周期での妊娠率は20〜30%に過ぎません。だ
からこそ、すぐに結果が出ないからといって自分を責めたり、過度に不安になる必要はありま
せん。まずはタイミング法を試し、必要があれば医師と相談しながら次のステップに進むことが
大切です。

不妊症と向き合うための心構え

不妊症という言葉に対する不安は、多くの女性が抱える共通の悩みです。しかし、妊娠は個人
差が大きく、他人と比較して焦る必要はありません。自分自身のペースで、夫婦で協力して取
り組むことで、最終的には希望が実現する可能性が高まります。

タイミング法は、不妊治療を始める前の第一歩として多くのカップルに試してほしい方法です。焦りす
ぎず、自分たちのペースで進めることが大切です。赤ちゃんを望む気持ちは大切ですが、その気持
ちに追い詰められず、楽しみながら妊活を進めていきましょう。結果が出るまでのプロセスも夫婦にとって大切な時間ですので、お互いを支え合いながら、前向きに取り組んでください。

1. 排卵のメカニズムとタイミング法

排卵とは、卵巣から成熟した卵子が放出され、卵管を通って子宮へ向かう過程です。生理周期の中
で排卵が起こるのは通常一度だけですが、そのタイミングは女性によって異なります。

近年、排卵のタイミングを正確に予測するために、排卵検査薬が多くの女性に使われるようになって
います。この検査薬は、体内のホルモン変化を検出し、排卵が近づいていることを知らせてくれるた
め、妊娠の計画に大いに役立ちます。

排卵のタイミングを知ることで、排卵日前後の夫婦生活が効果的に行えるようになります。これによ
り、卵子と精子が出会う確率が高まり、妊娠の可能性が増すのです。

2. 精子と卵子の寿命

排卵のタイミングだけでなく、精子と卵子の寿命も妊娠の可能性に影響を与えます。精子の寿命は
一般的に3〜7日間とされていますが、90%は数時間以内に死んでしまいます。一方で、卵子の寿命
は12〜24時間と非常に短いです。

このため、妊娠を目指す際には排卵日前後の短い期間にできるだけ多く夫婦生活を持つことが推奨
されます。タイミングを合わせることで、精子が卵子と出会う確率が高まるのです。重要なのは、排卵
日だけがチャンスではなく、排卵日前後の夫婦生活もまた妊娠の可能性を高めるということです。

3. 妊娠確率を高めるための方法

妊娠の確率を高めるために、排卵のタイミングを正確に知ることは不可欠です。そのために、
排卵検査薬の活用や基礎体温の測定が効果的です。これにより、自分の体のリズムを把握
し、最適なタイミングで夫婦生活を持つことができます。

また、ストレスや生活習慣の変化も排卵のタイミングに影響を与えるため、日常生活でリラック
スできる時間を確保することも大切です。さらに、栄養バランスの取れた食事や適度な運動を
心がけ、体調管理を徹底することで、妊娠しやすい環境を作ることができます。

1. タイミング法とは?

タイミング法は、排卵日を狙って性行為を行うことで妊娠の可能性を高める妊活法です。女性の生理
周期の中で、卵巣から卵子が排出される「排卵日」に合わせて性行為を行うことで、妊娠する可能性
を最も高められます。この方法は、女性の体に無理のない自然な形で妊娠を促進するため、妊娠を
望むカップルにとって安心して取り組める選択肢の一つです。

タイミング法は、不妊治療クリニックで行われることが多く、経膣超音波検査を用いて排卵日を予測
します。卵胞が約20mmに成長すると排卵が近いとされ、このタイミングで性行為を行うよう指導されます。しかし、タイミング法の成功率を上げるためには、ただ指示された日に性行為を行うだけでな
く、排卵日を自分で予測することが大切です。

2.排卵日を予測する3つの方法

タイミング法を成功させるためには、排卵日を正確に予測することが重要です。以下の3つの方法を
組み合わせて活用することで、より正確な排卵日予測が可能となります。

1. 基礎体温法
毎朝、起床直後の体温を測る方法です。基礎体温はホルモンの変動に伴い、排卵前後で明確なパ
ターンを示します。排卵前は低温期、排卵後は高温期に分かれ、排卵日近辺には体温が一気に上
昇します。これにより、排卵日が把握できるため、タイミングをつかみやすくなります。

2. 排卵検査薬
排卵前に分泌が急増する「黄体形成ホルモン(LH)」を測定する尿検査薬です。LHの急上昇を確認
できれば、排卵が近いことがわかり、性行為のタイミングを的確に取ることができます。この方法は、
基礎体温法と併用することで、より精度の高い排卵予測が可能です。

3. 子宮頸管粘液の変化
排卵が近づくと、子宮頸管から分泌される粘液に変化が現れます。排卵期には粘液が透明で伸び
やすくなるのが特徴で、指でつまんで引き伸ばすと糸を引くような感触が得られます。この変化を観
察することで、排卵日を察知する手助けになります。

これらの方法を組み合わせて利用することで、排卵日をより正確に予測でき、タイミング法を効果的
に活用することが可能です。

3.リラックスして取り組むタイミング法

タイミング法は、シンプルで自然な妊娠法として多くのカップルに取り入れられていますが、成
功するためにはいくつかの注意点もあります。また、ストレスを感じずに取り組むことが妊娠の
近道となることも重要です。

まず、タイミング法はあくまで妊娠の可能性を高める方法であり、必ずしも成功するわけでは
ありません。排卵のタイミングや受精、着床などは、いくつもの要因が絡み合っています。1年
以上タイミング法を実践しても妊娠しない場合は、専門医に相談することを検討しましょう。

また、タイミング法に取り組む際には、夫婦間のコミュニケーションが大切です。「妊活」という
言葉が重くのしかかると、逆にリラックスできず、ストレスがたまりやすくなります。タイミング法
は、あくまで夫婦の愛情を深めながら、自然な形で妊娠を目指す方法だということを忘れない
ようにしましょう。

さらに、排卵誘発剤や注射など、医師の指導のもとで排卵をサポートする手段もありますが、
これらは専門医のアドバイスに従い慎重に選択することが大切です。無理なく取り入れられる
範囲で、必要に応じて検討しましょう。

タイミング法は、女性にとって自然に近い形で妊娠を目指す方法として、多くのカップルに選ば
れています。排卵日を正確に把握し、夫婦で協力して取り組むことが成功への鍵です。しか
し、何よりも大切なのは、リラックスして妊活に向き合うこと。焦らずに、自分たちのペースで進
めていきましょう。タイミング法は、妊娠をサポートするための一つの方法であり、夫婦の絆を
深めるきっかけにもなります。焦らずに、楽しく取り組むことが、妊活成功の近道かもしれませ
ん。

1. 基礎体温とは?

基礎体温とは、朝起きたばかりの体が最も安静な状態にある時の体温のことです。女性の基礎体温
は月経周期によって変化し、特に排卵日前後に大きな変動が見られます。排卵日を知ることで、妊娠のタイミングを適切に計ることができるだけでなく、ホルモンバランスの確認や体の異常に気づくきっかけにもなります。

毎日基礎体温を測定し、そのデータを記録することで、自分の体調の変化や排卵のタイミングを把
握できるため、妊活中の女性にとっては大切な指標となります。

2. 基礎体温を測るメリットと注意点

基礎体温を測ることには多くのメリットがあります。主なメリットは以下の通りです。

● 排卵日の予測
基礎体温の変化を観察することで、排卵日を予測できます。排卵日前後に基礎体温が一時
的に低下し、その後急激に上昇するというパターンを捉えることで、妊娠しやすいタイミング
を見極めることができます。
● ホルモンバランスのチェック
基礎体温はホルモンの影響を受けるため、測定を続けることでホルモンバランスが正常かど
うかを確認できます。基礎体温のグラフに異常が見られる場合、ホルモンの乱れや排卵の問
題が考えられます。
● 体の異常を早期に発見
毎日基礎体温を測ることで、体調の変化や病気の兆候を早期に察知できます。例えば、基
礎体温が継続的に乱れている場合は、婦人科系の病気やホルモン異常のサインかもしれま
せん。

基礎体温を測る際には、いくつかの注意点があります。

● 毎日同じ時間に測る
起床後、すぐに安静にした状態で測ることが大切です。時間がズレると体温に誤差が生じる
ことがあるため、できるだけ同じ時間に測定しましょう。
● 同じ体温計を使う
体温計によって測定の精度が異なることがあります。誤差を避けるために、同じ体温計を使
い続けるのが理想的です。
● 体を動かさないこと
体温を測る前に、体を動かしたり飲み物を摂取したりすることは避けましょう。これにより、正
確な基礎体温が測定できなくなる可能性があります。

3. 基礎体温表の見方と排卵日予測

基礎体温表には、2つの大きな時期、すなわち「低温期」と「高温期」があります。これらの時期
は月経周期と密接に関係しています。

● 低温期
月経終了後から排卵前までの時期で、体温が比較的低い状態が続きます。
● 高温期
排卵後から次の月経が始まるまでの時期で、体温が上昇し、高温の状態が続きます。

基礎体温が低温期から高温期に切り替わる際、一般的には排卵が起こるとされています。こ
の切り替わりの直前の最低体温の日やその翌日が排卵日と推測されることが多いです。ただ
し、必ずしも最低体温日が排卵日ではないため、排卵日予測はあくまで目安として活用する必
要があります。

基礎体温表を活用するメリット
基礎体温表を毎日記録することで、自分の体のサイクルや排卵のタイミングを深く理解できる
ようになります。さらに、不妊治療を行っている場合、基礎体温表は重要な情報源となり、医師
が適切な治療を行う際の手助けとなります。

長期間の基礎体温を記録できる表を使用することで、周期ごとの変化を一目で確認すること
が可能です。基礎体温のデータは、健康管理や妊娠計画において非常に有用な情報となりま
す。

基礎体温を測ることは、女性の健康管理や妊活において大きなメリットがあります。排卵日の
予測やホルモンバランスのチェックだけでなく、病気の早期発見にもつながるため、日々の習
慣として取り入れる価値があります。基礎体温を正確に測り、記録することで、自分の体をより
深く理解し、健康的な生活を送るためのサポートとなるでしょう。自分の体に向き合い、基礎体
温を活用して健康管理を行いましょう。

1. 基礎体温法の限界と排卵日検査薬の必要性

基礎体温を測ることは、排卵日を予測するための基本的な手法です。低温期と高温期の変化を記録
することで、おおよその排卵日を知ることができます。しかし、女性によっては生理周期が不規則で
あったり、基礎体温の変化が微妙で予測が難しい場合もあります。また、そもそも排卵が起こってい
ないケースも考えられます。

そのような場合、排卵日検査薬が非常に役立ちます。基礎体温表と併用することで、より正確に排
卵日を特定できるようになります。最近では、排卵日検査薬も比較的手頃な価格で購入できるように
なり、1週間分(7回分)で3000~4000円程度で薬局やドラッグストアで手に入ります。

2. 排卵日検査薬の使い方と効果的なタイミング

排卵日検査薬を効果的に使用するためには、基礎体温をまず確認しましょう。低温期の終わり頃、
つまり排卵が近づいたタイミングで、排卵日検査薬の使用を開始します。1日1回、毎日同じ時間に
検査を行うのがポイントです。例えば、朝に検査を始めたなら、毎朝同じ時間に続けるようにしましょ
う。

もし、排卵日が近づいているのに陽性反応がはっきり出ない場合は、朝と夕方の2回検査を行うこと
も有効です。陽性反応が出た場合は、排卵が16~24時間以内に起こると予測されますので、このタ
イミングで性交を増やすことが大切です。

3. 排卵日検査薬を用いた妊娠成功のポイント

妊娠を成功させるための大きなポイントは、「排卵したときに精子が卵子に到達すること」で
す。排卵日検査薬で陽性反応が出た場合、すぐに性交の頻度を増やすことが重要です。精子
が排卵時に存在していなければ、妊娠の機会を逃してしまう可能性が高くなります。

さらに、精子の濃度や質に不安があるカップルの場合でも、心配しすぎる必要はありません。
実際に、精子の濃度が多少薄まったとしても、それが妊娠に大きく影響することはほとんどあ
りません。重要なのは、排卵したタイミングで精子が確実に卵子に到達することです。

排卵日検査薬は、基礎体温法と組み合わせることで、より正確に排卵日を把握できる強力な
ツールです。妊娠を望む女性にとって、こうした知識を活用することで、妊娠の確率を高めるこ
とができます。妊活中の方は、ぜひ排卵日検査薬を活用し、自分に合ったタイミングを見つけ
てください。

1. 不妊治療の一般的な流れ

不妊治療のスタートは、多くの場合、経膣超音波によるタイミング指導から始まります。その後、人工
授精や体外受精、顕微授精などの高度な治療へと進むことが一般的です。しかし、「赤ちゃんができ
ないから治療を受ける」という考えだけではなく、自分自身の状態や治療の目的についてもよく理解
することが大切です。

治療の初期段階

初めに行われるタイミング指導や基礎体温の記録は、体の状態を把握し、最適な治療法を選ぶため
の第一歩です。この段階では、まず生活習慣や健康状態を整えることが重要です。

高度生殖医療の選択

タイミング指導で成果が見られない場合、人工授精や体外受精などの高度な治療が検討されます。
これらの治療法は、医学的に効果的ですが、身体的、精神的、経済的な負担が大きいことを理解し
ておく必要があります。

2. 自分自身と向き合う

不妊治療を始める前に、自分自身の体と向き合うことが重要です。多くのカップルが「妊娠したい」と
強く願う一方で、「治療を受けたくない」という声もあります。これは、治療の過程やその影響をよく理
解し、自己理解を深める必要があるからです。

自己理解のプロセス

カウンセリングを通じて、自分自身の体調や妊娠についての考えを深めることが大切です。自身の
健康状態や生活習慣を見直し、妊娠を望む理由や治療に対する考え方を整理することで、より良い
治療の選択が可能になります。

妊娠・出産の質を考える

妊娠は単なる目標ではなく、出産後の生活や子育ても含めた大きなステップです。治療を受けること
がゴールではなく、健康な妊娠と出産を目指すための一つのステップであることを認識することが重
要です。

3. 治療の前に試すべきこと

治療を始める前に、まずは簡単に試せる方法から始めることが推奨されます。また、治療と並
行して受けられるサポートについても考えてみましょう。

タイミング法と生活習慣の改善

まずはタイミング法を試みることをおすすめします。基礎体温の記録や排卵日を把握すること
で、自然妊娠の可能性を高めることができます。また、健康的な生活習慣を心がけることも重
要です。

フォローアップとサポート

治療においては、フォローアップを受けることも一つの方法です。カウンセリングや医師との定
期的な相談を通じて、治療の進行状況や自分の状態を把握し、適切なサポートを受けること
ができます。

不妊治療は、単なるステップの一部であり、妊娠への道のりの中で自分自身をよく理解し、焦
らずに進めることが大切です。治療を受ける前に、自分の体と向き合い、より良い形で妊娠・
出産に繋げるための準備を整えましょう。治療とサポートを上手に活用して、健康な妊娠を目
指してください。

1. 排卵誘発剤の基本

排卵誘発剤は、排卵を促進するための薬です。月経周期に合わせて排卵日を予測し、妊娠の可能
性を高めるために用いられます。排卵誘発剤を使うことで、卵巣がより多くの卵子を成熟させ、排卵
を促すことができます。

「排卵誘発剤を使用すると、子どもに影響があるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、
安心してください。排卵誘発剤は卵巣を刺激するものであり、卵子そのものに直接的な影響を与える
ものではありません。そのため、排卵誘発剤によって生まれてくる子どもに障害が発生することはあ
りません。

2. 主な排卵誘発剤の種類とその使用方法

クロミフェン
クロミフェン(商品名:クロミッド、フェミロン、セロフェンなど)は、最も一般的に使用される排卵誘発剤
です。通常、月経周期の5日目から1日1錠を5日間服用します。クロミフェンは卵胞刺激ホルモンの
分泌を促し、間接的に卵胞の発育を促進します。副作用として、子宮内膜が薄くなったり、頚管粘液
が減少することがあります。また、妊娠した場合の流産率がわずかに高まることもあります。

セキソビット
セキソビット(一般名:シクロフェニル)は、クロミフェンと同様に排卵を促進しますが、子宮内膜が薄く
なったり頚管粘液が減少する副作用が少ないとされています。ただし、効果はクロミフェンほど高くは
ありません。

注射薬(hMG製剤)
注射薬の排卵誘発剤としては、hMG製剤(ヒュメゴン、パーゴナル、フェルティノームなど)がよく使用
されます。これらは卵巣に直接作用し、卵胞の発育を促進します。注射薬は経口薬に比べて効果が
強く、複数の卵子が同時に排卵することが多いため、多胎(双子や三つ子)のリスクが高まります。ま
た、副作用として卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が報告されています。この状態では、卵巣が異常に
膨らみ、お腹に水が溜まることがあります。

3. 副作用とリスク、安心して使用するために

排卵誘発剤には、一般的に以下のような副作用があります。

● 経口薬(クロミフェン、セキソビット):子宮内膜の薄化、頚管粘液の減少、稀に頭痛や
吐き気。長期間の高用量使用や体質によっては、副作用が強くなることがあります。
● 注射薬(hMG製剤):卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎のリスクが高い。卵巣が腫
れることで、お腹に水が溜まることがあります。医師は超音波検査などで状態を確認し
ながら、慎重に薬の量を調整します。

排卵誘発剤の使用は、医師の指導のもとで行うことが大切です。副作用が気になる場合は、
しっかりと医師と相談し、必要に応じて治療方針を見直すことも大切です。また、治療に伴うリ
スクを理解し、安心して治療を進めるために、事前に十分な情報を得ておくことが重要です。

排卵誘発剤は、不妊治療において非常に重要な役割を果たしますが、使用に際しては副作用
やリスクを理解することが大切です。クロミフェンやセキソビットなどの経口薬、hMG製剤など
の注射薬には、それぞれ異なる特徴と副作用があります。治療に関する不安や疑問がある場
合は、医師としっかりと相談し、自分に最適な治療法を選んでください。知識を持って安心して
治療に臨むことが、妊娠への一歩を踏み出すための助けになるでしょう。

1. 子宮卵管造影検査の基本

子宮卵管造影検査とは？

子宮卵管造影検査は、不妊の原因を特定するために行われる検査です。この検査では、子宮の形や卵管の通過性を確認するために、造影剤を用いてレントゲン撮影を行います。子宮や卵管に何らかの異常があると、妊娠が難しくなることがあります。例えば、卵管が閉塞している場合、卵子と精子が出会うことができず、妊娠が困難になります。

検査の流れ

検査は通常、月経が終わった直後に行います。まず、子宮口から細いカテーテルを挿入し、造影剤を注入します。造影剤が子宮内や卵管を通過する様子をレントゲンで撮影し、卵管の通過性や子宮の状態を確認します。検査自体は10分から30分程度で終わり、個人差がありますが、痛みを感じることもあります。

検査の目的

• ● 卵管の通過性の確認: 卵管が詰まっていないかを調べます。卵管が通っていることを確認することで、自然妊娠の可能性が高まります。
• ● 子宮の形の異常の確認: 子宮内に異常がないか、例えば子宮の形が正常であるかをチェックします。
• ● 卵管の癒着の確認: 過去の手術や感染症などで卵管が癒着していないかを調べます。

2. 検査の方法とそのメリット

子宮卵管造影検査の方法

検査は、以下のステップで行われます

• 1.カテーテルの挿入: 子宮口から細いカテーテルを挿入し、造影剤を注入します。
• 2.造影剤の注入: 造影剤が子宮や卵管を通過する様子をレントゲンで撮影します。これにより、卵管が通っているかどうかを確認します。
• 3.レントゲン撮影: 造影剤が通過した後、レントゲンで撮影し、卵管の状態や子宮の形を確認します。

検査のメリット

• ●卵管の閉塞を診断できる: 卵管が閉塞しているかどうかを確認できるため、適切な治療法を選ぶ参考になります。
• ●治療効果の期待: 造影剤の注入によって、軽い癒着がはがれることがあります。このため、検査後に妊娠率が向上することがあります。
• ●放射線量が少ない: 現在の技術では、検査で使用する放射線量は非常に少なく、安全なレベルです。

3. 検査を受ける際のポイントと注意点

検査前に知っておきたいこと

• ● クラミジア感染との関連: クラミジア感染は卵管の閉塞を引き起こすことがあります。検査前に血液検査で感染の有無を確認することをお勧めします。
• ● 検査のタイミング: 月経が終わってから間もなくの時期に検査を受けることが適しています。これは、子宮内膜が正常な状態であることを確認するためです。

検査の痛みとその対策

子宮卵管造影検査は、多少の痛みを伴うことがあります。痛みを軽減するためには、以下の方法があります：

• 鎮痛剤の使用: 検査前に鎮痛剤を使用することで、痛みを軽減できます。
• リラックスする: 検査前にリラックスできるよう心掛けることも痛みの軽減に役立ちます。

検査後のフォローアップ

検査後、24時間を空けてフォローアップの写真を撮ることがあります。造影剤が十分に広がっていない場合、周囲の癒着が考えられます。また、検査後に体調に異変を感じた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

検査方法の選択

子宮卵管造影には油性と水性の造影剤がありますが、油性の方が妊娠率が高いとされています。地域や医療機関によって利用できる方法が異なるため、自分に合った方法を医師と相談して決めることが大切です。

子宮卵管造影検査は、妊娠を目指す女性にとって非常に重要な検査です。不妊の原因を明らかにし、適切な治療を受けるために役立ちます。検査を受けることで、より具体的な治療計画を立てることができ、妊娠の可能性が高まるかもしれません。検査に関する不安や疑問がある場合は、遠慮せずに医師に相談し、自分に合った最適な方法を選びましょう。妊娠への一歩を踏み出すための大切な検査です。