子宮頸がんは、多くの女性に影響を与える病気ですが、正しい知識と予防策で大きくリスクを減らす
ことができます。今回は、子宮頸がんの原因や予防法、検診の重要性について、わかりやすくご紹
介します!
目次
1.子宮の仕組みと子宮がんの種類
2.子宮頸がんの原因はいったい?
3. 子宮頸がんを予防しよう!
● HPVワクチン接種
● 子宮頸がん検診
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子宮の仕組みと子宮がんの種類
まずは子宮の基本構造について理解しましょう。子宮は、細くて筒状の部分「子宮頸部」と、袋状の
部分「子宮体部」に分かれます。この2つの部位にできるがんを、それぞれ「子宮頸がん」と「子宮体
がん」と呼びます。
子宮がんの中で、約70%が子宮頸がんです。以前は40~50歳代に多かった子宮頸がんですが、
最近では20~30歳代の若い女性にも増えており、特に30歳代後半が発症のピークとなっています。
日本では毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、そのうち約3000人が亡くなっています。2000
年以降、患者数も死亡率も増加しているのです。
子宮頸がんの原因は?
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスです。このウイルスは性的
接触を通じて子宮頸部に感染します。HPVは非常に一般的なウイルスで、性交経験のある女性の多
くが一度は感染します。ほとんどの人は、免疫システムがHPVを排除しますが、約10%の人は感染
が長期間続くことがあります。このうち一部の人は、前がん病変と呼ばれる状態を経て、数年かけて
子宮頸がんに進行することがあります。
子宮頸がんを予防しよう!
『HPVワクチン』
HPVワクチンは、HPVの感染を予防することで子宮頸がんの発症を防ぐことができます。このワク
チンは世界の70カ国以上で国のプログラムとして接種されており、子宮頸がんの60~70%を予防で
きると考えられています。WHO(世界保健機関)は、性交渉を経験する前の10歳代前半に接種する
ことを推奨しています。ワクチン接種により、HPV感染率や前がん病変の発生率が大幅に減少する
ことが確認されています。
日本では2013年4月から予防接種法にもとづき、小学校6年生~高校1年生に相当する女性を対
象に定期接種がおこなわれています。しかし、接種後にさまざまな症状が報告されたため、厚生労
働省は、接種部位以外の体の広い範囲で痛みが続く症状などが社会問題となり、2013年6月に「定
期接種を続ける一方、適切な情報提供ができるまでは積極的勧奨を控える」としました。
しかし、2022年の4月からHPVワクチンの定期接種を自治体から積極的に勧奨することが再開さ
れました。これには、厚生労働省の審議会にて国内外の知見を踏まえた上で、ワクチンの安全性に
特段の懸念はなく、ワクチンの有効性が副反応リスクを上回るメリットがあると考えられた背景があり
ます。
子宮頸がん検診
子宮頸がん検診は、子宮の入り口付近(子宮頸部)の細胞をブラシで採取し、顕微鏡でがん細胞
や前がん病変の細胞を調べる「細胞診検査」を行います。症状がなくても、20歳を過ぎたら2年に1回
は子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。これは、HPVワクチンを接種した人も、定期的
に検診を受けることが重要です。前がん病変の段階で発見し治療することで、子宮頸がんの発症を
防ぐことができます。
子宮頸がんの予防には、HPVワクチンの接種と定期的な検診が非常に重要です。正しい知識を持
ち、適切な予防策を講じることで、自分の健康を守ることができます。ぜひ、自分自身や大切な人の
ために、予防策を取り入れてください。
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