薬膳における「五味」は、食材の味わいによってその効果を分類する考え方です。それぞれの味が
体にどのような影響を与えるかを理解することで、健康的な食生活を送るための手助けになります。
この記事では、五味の基本的な意味と、それぞれの味がもたらす働き・効果、そして具体的な食材の
例をご紹介します。これを知ることで、自分の体調や健康に合った食材選びができるようになりま
す!
目次
- 1.五味の基本概念
- 五味ごとの働き・効果と食材の例
- ● 酸味
- ● 甘味
- ● 辛味
- ● 苦味
- ● 鹹味(かん味)
1. 五味の基本概念
五味は、薬膳における食材の味わいを基にその性質を分類したもので、各味には特有の体への影
響があります。五味には「酸味」、「甘味」、「辛味」、「苦味」、そして「鹹味」があり、これらはそれぞれ
異なる体調の改善やバランスを整えるために役立ちます。
酸味
● 働き・効果
○ 発汗を抑制する: 酸味は体内の過剰な汗を抑える効果があります。
○ 筋肉を引き締め、体を引き締める: 酸味が筋肉を引き締め、体の引き締めをサポート
します。
○ 唾液の分泌をよくする: 食欲を促進し、消化を助けます。
○ 下痢や調の出過ぎを抑える: 酸味が過剰な排泄を抑制します。
● 食材の例:
○ トマト: 酸味があり、消化を助け、体の熱を抑える。
○ ヨーグルト: 酸性で、腸内環境を整え、消化を促進する。
○ みかん: 酸味があり、免疫力を高めるとともに、食欲を増進する。
甘味
● 働き・効果
○ 緊張を緩和し、痛みを止める: 甘味が心身をリラックスさせ、痛みを和らげます。
○ 虚弱体質や体力消耗を緩和する: 甘味が体力を補い、エネルギーを増進します。
○ 胃腸の働きを高める: 消化機能を促進し、胃腸の調子を整えます。
○ 気を補う: 気力を高め、疲労を回復します。
● 食材の例:
○ なす: 甘味があり、体力を補い、消化を助ける。
○ バナナ: 甘味があり、エネルギー源として優れ、体力を補う。
○ トウモロコシ: 甘味があり、胃腸の働きを助ける。
○ サバ: 甘みを含み、体力を増進し、栄養価が高い。
辛味
● 働き・効果
○ 血行を促進する: 辛味が血行を促進し、体内の循環を良くします。
○ 体温を上げて、発汗を促す: 辛味が体温を上げ、発汗を促進します。
○ 気の巡りを改善する: 辛味が気の流れをスムーズにし、体調を整えます。
● 食材の例:
○ しょうが: 辛味があり、体を温め、消化を促進する。
○ ニラ: 辛味があり、血行を促進し、体力を増進する。
○ とうがらし: 辛味が強く、体を温め、代謝を促進する。
苦味
● 働き・効果
○ 体内の余分な熱を取り除く: 苦味が体の余分な熱を取り除き、冷やします。
○ 精神を安定する: 苦味が心を落ち着け、ストレスを和らげます。
○ 余分な水分を排出する: 苦味が利尿作用を持ち、体内の余分な水分を排出します。
● 食材の例:
○ オクラ: 苦味があり、消化を助け、体内の熱を取り除く。
○ ひじき: 苦味があり、体内の余分な水分を排出し、ミネラルを補う。
○ ココア: 苦味があり、リラックス効果があり、抗酸化作用がある。
鹹味(かん味)
● 働き・効果
○ 便秘を解消する: 鹹味が便通を促進し、便秘を解消します。
○ しこりをやわらかくする: 鹹味が体内のしこりを緩和し、柔らかくします。
● 食材の例:
○ わかめ: 鹹味があり、便秘を解消し、ミネラルを補給する。
○ 豚肉: 鹹味があり、体力を補い、栄養価が高い。
○ しょうゆ: 鹹味があり、調味料として利用し、体のバランスを整える。
○ みそ: 鹹味があり、発酵食品で、腸内環境を整える。
五味の基本を理解することで、自分の体調や健康状態に合わせた食材選びができます。例え
ば、体が冷えていると感じるときは辛味や温味の食材を取り入れると良いでしょう。逆に、体に
熱を持っていると感じる場合は、酸味や苦味の食材を取り入れることが推奨されます。五味を
バランスよく取り入れた食生活で、健康を維持し、体調を整えましょう♪
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