目次
1.なぜ「エビデンス」にこだわるのか
「薬膳=なんとなく体によさそう」と思う方は多いと思います。
でも妊活中は「ほんとうに意味があるのか?」「効果が証明されているのか?」が気になりますよね。
私はアメリカとヨーロッパでの留学を通じて、世界の食文化や健康習慣の多様性を体感しました。その後、経営学修士号(MBA)を取得し、現在は 薬膳という選択肢を女性に届けるヘルスケアブランド「Healthma」 を運営しています。
日々、PubMedやCochraneレビューなどの論文を読み解きながら、「薬膳を科学的に」 伝えることを大切にしています。
2.妊活女性の3つのペイン
私自身や周りの友人の体験からも、妊活のときに共通する悩みがありました。
- わからない:何を食べればいいのか?どの情報が正しいのか?
- 続かない:サプリを買ってみても、毎日続けられない。お菓子に手が伸びてしまう。
- 報われない:頑張っているのに、結果がすぐに見えない。徒労感がつきまとう。
そんな中で、「美味しいから続けられる、しかも科学的に意味がある」 食材として私が出会ったのが ナッツ でした。
3.ナッツに含まれる栄養素と妊活
葉酸
- 妊娠前から必要な栄養素の代表。
- WHOは400µg/日を妊娠の1か月以上前から摂取することを推奨【WHO, 2016】。
- ナッツ(特にピーナッツ・ピスタチオ・アーモンド)には天然の葉酸が含まれています。
オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸など)
- クルミに豊富。
- 卵巣機能やホルモンバランスに関与し、胎児の脳神経発達をサポート【Innis, 2007, J Nutr】。
ビタミンE
- アーモンドに多く含まれる。
- 抗酸化作用で細胞膜を守り、卵子や受精卵の質の維持に寄与【Ruder, 2008, Fertil Steril】。
食物繊維・ミネラル
- 鉄・マグネシウム・亜鉛など、妊娠準備期に不足しやすい栄養素を補う。
4.世界のエビデンス ― ナッツと妊娠・胎児発達

1. 妊娠中のナッツ摂取と子どもの認知発達
- スペインの大規模コホート研究(INMAプロジェクト)
- 対象:2,200組の母子
- 妊娠初期にナッツを多く摂った母親の子どもは、記憶力・注意力・IQテストの成績が有意に良好。
- 葉酸や多価不飽和脂肪酸が胎児の脳神経発達に寄与したと考察【Guxens M, 2019, Eur J Epidemiol】。
2. ナッツと心代謝の健康
- メタ解析(Nutrients 2020)
- ナッツ摂取でLDLコレステロールやインスリン抵抗性が改善。
- 妊活女性にとって「代謝を整える=妊娠しやすい体作り」につながる可能性【Guasch-Ferré M, 2020, Nutrients】。
5.薬膳の視点から ― ナッツは「腎を補う」食材
薬膳ではクルミやアーモンドは「腎を補う」食材とされています。
「腎」は生命エネルギーや生殖機能に深く関わる臓腑で、妊活と直結する概念です。
つまりナッツは、東洋医学的にも「妊娠力を支える」食材。
ここに科学的な裏づけが加わると、納得感が一層高まります。
どう食べる?妊活おやつとしてのナッツ
- 量:1日20〜30g(片手ひと握り)。
- 種類:無塩・無添加タイプを基本に。
- 組み合わせ:
- レーズンやいちじくと混ぜて「妊活ミックス」
- ヨーグルトにトッピング
- 小分け袋にして持ち歩き
「おやつに手が伸びてしまう」というペインを、ナッツで「罪悪感のない妊活おやつ」に変えられます。
まとめ
- ナッツは葉酸・オメガ3・ビタミンEが豊富。
- 妊娠初期の母親のナッツ摂取は、子どもの認知発達にプラスの関連がある。
- 代謝改善や抗酸化のエビデンスも。
- 薬膳の知恵(腎を補う)と現代科学が重なる。
「わからない・続かない・報われない」という妊活中の悩みに、
「美味しくて続けられて、しかもエビデンスがある」おやつ=ナッツ は、心強い味方です。
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📑 参考文献
- World Health Organization. WHO recommendations on antenatal care for a positive pregnancy experience. 2016.
- Guxens M, et al. Maternal nut consumption during pregnancy and child neuropsychological development. Eur J Epidemiol. 2019;34(7):661–673.
- Guasch-Ferré M, et al. Nuts, metabolic health and fertility. Nutrients. 2020;12(5):1506.
- Innis SM. Dietary omega 3 fatty acids and brain development. J Nutr. 2007;137(4):855–859.
- Ruder EH, et al. Antioxidants in diet and human fertility. Fertil Steril. 2008;90(3):747–755.