目次
1. はじめに ― なぜ「エビデンス」で語るのか 🌿
妊活中、「何を食べればいいのか?」という悩みは尽きません。
サプリを飲んでいるけれど足りているのか不安…。薬膳やハーブも気になるけれど、科学的に意味があるのか分からない…。
そんな思いから、私は 「薬膳×エビデンス」 という切り口で記事を書いています。
アメリカとヨーロッパでの留学を通じて世界の食文化を学び、経営学修士号(MBA)を取得。現在はヘルスケアブランド「Healthma(ヘルスマ)」を運営しながら、PubMedやCochraneなどの論文を読み解き、科学的根拠に基づいた薬膳の知恵をお届けしています。
2. 妊活女性に多い鉄欠乏性貧血 🩸
妊活期の女性にとって、鉄欠乏は大きな課題です。
鉄分不足は月経による出血だけでなく、偏食やダイエットなどの生活習慣でも起こりやすいもの。

さらに研究では、鉄欠乏性貧血は妊娠率の低下や妊娠継続の困難さに関連すると報告されています。つまり、妊娠前から「鉄の貯金」をつくることが、健康な妊娠への第一歩です✨。
ところが鉄サプリや鉄剤は胃腸への負担が強く、続けにくいという声も多く聞きます。
ここで登場するのが、薬膳の代表食材「なつめ(ジュジュベ)」🍎です。
3. なつめに含まれるビタミンC ― 科学的エビデンス 📖
分析研究によれば、なつめは100gあたり167–425mgという高含有のビタミンCを誇ります【Gao QH, Foods, 2021】。
ビタミンCは鉄の吸収を助ける補助因子。特に「非ヘム鉄(植物性食品に多い鉄)」は吸収率が低いのですが、ビタミンCを一緒に摂ることで吸収効率が大幅に高まることが知られています。
つまり、鉄を直接補うだけでなく、「鉄の働きを最大化する栄養素」としてなつめは非常に有効なのです🌟。
4. 臨床試験から見たなつめの効果 🧪
妊娠中の直接的な研究はまだ少ないですが、生活習慣病の臨床試験でなつめの有効性が示されています。
糖尿病患者での研究
イランのRCT(ランダム化比較試験)では、2型糖尿病患者が12週間にわたりなつめの浸出液を摂取しました。その結果:
- HbA1c(長期的な血糖指標)が有意に改善
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)も低下
【Yazdanpanah Z, Phytother Res, 2017】
これは妊活女性にも示唆を与えます。血糖や脂質の安定はホルモンバランスや卵巣環境に関与するため、妊娠しやすい体づくりに寄与する可能性があります💡。
5. 薬膳におけるなつめ ― 「補血」の代表食材 🌸
薬膳の世界では、なつめは「補血」の代表とされ、女性に欠かせない食材と位置づけられてきました。
- 冷えや疲れを和らげる
- **PMS(月経前症候群)**の気分変動を整える
- 胃腸をサポートして「食べたものを栄養に変える力」を高める
これらは科学的に見ても、ビタミンCやポリフェノールの抗酸化作用、腸内環境を整える作用と通じています✨。
6. 日常への取り入れ方 ― 無理なく続ける工夫 🍵
なつめはそのまま食べてもほんのり甘くて美味しいですが、妊活中は「続けられる工夫」が大切。
- ティーにする:乾燥なつめをお湯に入れてお茶代わりに🌿
- スナックに:ナッツやレーズンと混ぜて小分け袋に🥜
- 料理に加える:スープや煮物に自然な甘みとして🍲
薬膳は「美味しくて、習慣にできる」ことが続けるカギです。
7. まとめ ✨
- 妊活女性に多い鉄欠乏は妊娠率・妊娠継続に影響する。
- なつめはビタミンCが非常に豊富で、鉄吸収を助ける。
- 臨床試験では血糖・脂質の改善効果が確認されている。
- 薬膳的には「補血」の代表食材で、冷え・疲れ・PMSにも。
妊活中の「わからない・続かない・報われない」という悩みに、なつめは科学と伝統が両立するセルフケア食材です🍎。
8. 参考文献 📑
- Gao QH, et al. Foods. 2021;10(11):2716.
- Yazdanpanah Z, et al. Phytother Res. 2017;31(8):1200–1206.
- World Health Organization. Recommendations on antenatal care for a positive pregnancy experience. 2016.