PMS(月経前症候群)は、多くの女性が月経前に経験する体調不良や感情の不安定さです。これを
和らげるために、漢方が注目されています。漢方薬は、体全体のバランスを整え、個々の症状に応
じたアプローチをすることで、PMSの緩和に役立ちます。この記事では、漢方の基本的な考え方か
ら、PMSに対する具体的な漢方薬の効果と選び方について詳しく解説します。
目次
- 1. 漢方がPMSに効く理由とは?
- 2. 代表的な漢方薬とその効果
- 3. 漢方薬を選ぶ際の注意点と併用の考え方
1. 漢方がPMSに効く理由とは?
体質に合わせた治療
漢方の魅力の一つは、体質や症状に合わせた治療ができる点です。PMSの症状は人それぞれ異な
ります。例えば、むくみが気になる人、イライラしやすい人、冷えを感じる人など、個々の症状に合っ
た漢方薬が選ばれます。これにより、より効果的な症状緩和が期待できます。
複合的な作用
漢方薬は、複数の生薬を組み合わせて使用します。このため、血行促進や精神安定など、複数の症
状に同時にアプローチすることが可能です。例えば、冷え性や生理痛、精神的な不安など、PMSに
関連する多くの問題を一度に改善することができます。
副作用が少ない
一般的に、漢方薬は西洋薬に比べて副作用が少ないとされています。体に優しく、体質に合ったも
のを選べば、安全に使用することができます。ただし、体質によっては合わない場合もあるため、使
用前に医師に相談することが重要です。
2. PMSの主な症状とそのメカニズム
1. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
成分と作用
● 成分: 当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、白朮(ビャクジュツ)、茯苓(ブク
リョウ)、甘草(カンゾウ)
● 作用: 当帰芍薬散は血液の循環を改善し、血行不良や冷えによる症状を緩和します。特に、
女性特有の冷えやむくみ、コリ、そして生理痛を和らげる効果があります。また、体を温める
作用があり、月経前の体調不良や痛みを軽減します。
適応症状
● 冷え性やむくみ
● 生理痛や月経不順
● 腰や脚のコリ
● 疲労感や体のだるさ
2. 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
成分と作用
● 成分: 桂枝(ケイシ)、茯苓(ブクリョウ)、白朮(ビャクジュツ)、牡丹皮(ボタンピ)、桃仁(トウニ
ン)
● 作用: 桂枝茯苓丸は、血液の流れを改善し、血行不良や血の滞りを解消します。これにより、
生理痛や月経前のイライラ、体の重さ、頭痛などの症状を緩和します。血流を良くすること
で、気分の安定や冷えの改善にも寄与します。
適応症状
● 生理痛や月経前の不快感
● イライラや感情の不安定さ
● 頭痛やめまい
● 冷えや体の重さ
3. 加味逍遥散(かみしょうようさん)
成分と作用
● 成分: 逍遥散(ショウヨウサン)、当帰(トウキ)、白芍薬(ハクシャクヤク)、薄荷(ハッカ)、柴
胡(サイコ)、茯苓(ブクリョウ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)
● 作用: 加味逍遥散は、精神的なストレスや不安を和らげる効果があります。特にイライラや不
安、不眠など、PMSによって引き起こされる精神的な不快感を軽減します。また、体の疲労
感や月経周期の不調も改善します。
適応症状
● イライラや不安、ストレス
● 睡眠の質の低下
● 疲労感や体調不良
● 月経周期の乱れ
3. 漢方薬を選ぶ際の注意点と併用の考え方
医師に相談する
漢方薬を使用する際は、必ず医師に相談することが大切です。自分の体質や症状に合った漢方薬
を選ぶためには、専門家のアドバイスが必要です。自分に合わない漢方薬を使用すると、逆に体調
を崩す可能性もあります。
副作用の確認
漢方薬にも副作用がある場合があります。飲み始めてから体調に変化があった場合は、すぐに医師
に相談することが重要です。自分に合った漢方薬を見つけるためにも、体調に注意しながら使用しま
しょう。
漢方薬と西洋薬の併用
漢方薬は、西洋薬と併用することも可能です。例えば、低用量ピルと漢方薬を組み合わせることで、
PMSの症状をより効果的に緩和できる場合があります。併用する際も、医師と相談しながら行うこと
が重要です。
PMSの症状に悩む多くの女性にとって、漢方は効果的な治療法の一つです。体全体のバラン
スを整え、症状に合わせた適切な漢方薬を選ぶことで、快適な月経前期を手に入れることが
できます。自分に合った漢方薬を見つけるためには、医師のアドバイスを受けながら、根気強
く取り組むことが大切です。PMSに対する漢方の力をぜひ活用して、より良い日常を目指しま
しょう。
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