【不妊治療】不妊の原因となる6つの病気

1. 黄体機能不全

黄体機能不全 とは、排卵後に形成される黄体が十分なホルモンを分泌できない状態を指します。黄体は卵子が排卵後に卵巣に残って形成される組織で、妊娠の維持に必要なホルモンを分泌する重要な役割を担っています。このホルモンには、主にプロゲステロンが含まれ、これが子宮内膜を厚くし、妊娠に適した状態に保つのです。

排卵後、黄体は通常、数週間にわたってプロゲステロンを分泌し続け、子宮内膜を妊娠のために整えます。もし黄体が十分なホルモンを分泌できない場合、子宮内膜が適切に維持されず、着床が困難になります。結果として、受精卵が子宮内膜にしっかりと着床することができず、流産のリスクが高まることもあります。

2. 子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜と似た組織が子宮以外の場所に存在する病気です。これが生理周期に合わせて増殖し、周囲の臓器と癒着することで、痛みや不妊の原因になります。診断には超音波検査や腹腔鏡検査が行われ、治療方法としては薬物療法や手術が考えられます。

3. 子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。多くの場合無症状ですが、月経過多や痛みが生じることがあります。妊娠を希望する場合、筋腫の位置や大きさに応じた治療が必要です。最近では、腹腔鏡手術などの新しい治療法が普及しており、より妊娠しやすい状態を作ることが可能です。

4. 高プロラクチン血症

高プロラクチン血症は、脳下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンが過剰になる病気です。これにより、女性ホルモンの分泌が抑制され、排卵が不規則になります。治療には薬物療法が用いられ、原因となる腫瘍の摘出なども行われることがあります。

5. 多のう胞性卵巣症候群（PCOS）

多のう胞性卵巣症候群（PCOS）は、卵巣内に多数の小さな卵胞ができることで、正常な排卵が妨げられる病気です。PCOSの主な症状には、月経不順や過剰な体毛、ニキビなどがあります。治療にはホルモン療法や排卵誘発剤が用いられ、生活習慣の改善も効果的です。

6. 性機能不全（原因不明不妊）

性機能不全は、身体的な異常が見当たらないにも関わらず妊娠できない状態です。原因が特定できない場合、治療方法も限られますが、ストレスや生活習慣の改善が有効な場合があります。また、精密な検査を受けることで、新たに原因が見つかることもあります。

不妊の原因となる病気は多岐にわたり、症状や治療方法もさまざまです。これらの病気について理解を深めることで、自分の健康状態を正しく把握し、適切な治療を受ける手助けになります。定期的な検査と適切なケアを行うことで、妊娠の可能性を高めることができます。自分に合った治療法を見つけるためにも、医療機関での相談を怠らないようにしましょう。

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